デカレンジャーショウ

タイトル通りの内容だが、実際には「デカレンジャー」のショウを観たのだ。
木下あゆ美ジャスミン)に関する想いは後日書くとしよう。


昨晩23時30分頃、会場である東京ドームシティに到着した。
これよりおよそ10時間、列に並んでいなければならない。
いわゆる「イベントの場所どりのための徹夜」なんだが、こんな体験は初めてだ。
冬の現在、寒さに耐えられるか心配だった。
靴下を二重に履き、上着を三枚着て、さらにジャンパを着た。
手袋とマフラも準備していたが、使うことはほとんどなかった。
ホッカイロがあったし、何よりそれだけでは寒さに対抗できなかったのだ。
はじめ数時間は「わりと暖かいですね」などと悠長に構えていた。
だが、夜が更けるにつれ、体中が冷えていった。
何度もトイレに行く羽目になる。腹具合が悪くなってしまったのだ。
ようやく日が明けて、だんだんと暖かくなってきた時は、本当に嬉しかった。
「これは人間が過ごす時間ではない」と感じた。
同時に、この中で生活をしなければならない人がいる事実を思い知った。
それについては、また別の機会に。


2月10日の時点で、シートを張って場所とりをする行為は禁止されていたのだが、
案の定というか、したたかなもので、ちゃっかりそれは行なわれていた。
僕たちが到着した時に、既に何枚かのシートの列。
ビニルのシートもあれば、コンビニの袋で代用してあるものもあった。
後日談だが、それが女性だと分かった時には意外だった。偏見である。
とにかく徹夜で並ぶことしか頭になかったし、防寒対策を重点視していたものだから、
床に敷くためのシートを用意することまで考えていなかった。
M氏は椅子を準備していたそうだが、持ってくるのは忘れていた。
何はともあれ、我慢した甲斐あって整理番号は40番台を手に入れた。


整理番号順に並んだのが9時20分。
10時になり、開場した途端に走る人がチラホラと。
みんな良い席を確保したいのだろう。
開場前、良い席を早く見つけるために「僕が走りましょう」と宣言したが、
整理券を渡したり、切符を切ってもらったりに時間が掛かった。
先を急ぐ人が見えたが、急がずに入場。それでも最前席に座れた。
これは、思うに目的の違いだろう。
僕たちが目当てなのは、デカイエローに扮する木下あゆ美
そういう人は(僕より若い番号の人には)いなかったようで、
余裕のよっちゃん(古い!!)で座ることができたのだ。
ちなみに、ヒロイン役は他に、デカピンク扮する菊池美香がいる。


ハローのコンサートで最前列といえばかなりの良席だ。
それは今回のイベントにも当てはまる。
しかし、違う部分を挙げるとすれば、それはステージまでの距離。
近いなんていうものではない。近すぎる。あり得ないくらいに近い。
もう一歩ほど接近すればキスができるくらいに近い(そんなわけない)。
まあ、視力が少しばかり弱い僕が眼鏡を掛けなくても充分な距離だった。
デジカメを右手に、売店で買った「木下あゆ美」の団扇を左手に持ち、
「さあ、僕の胸に飛び込んでおいで」と言いたくなるほどに準備万端だ。
ただ、残念なことに逆光だった。
そのせいでデジカメのモニタがほとんど見えず。
ファインダから覗いて撮影する方法もあったが、それではデジカメの意味がない。
第一、それでは被写体である彼女の姿が見えにくいではないか。
写真撮影が許可されているのは嬉しいが、メインはあくまでショウの方だ。
そう考えて、カメラはオプションとして扱うことに決めた。
どのみち変身してしまえばスタントパーソンになるのだから。
最初はもちろん変身前の姿で登場。
デカレンジャーのコスチュームに身を包み、華麗に演技をこなす彼女。
いきなり敵が登場するので、緊迫したムードがステージ上に漂う。
彼女の真剣な表情は、とても魅力的でした。
シャッタチャンスと思って何枚か写真を撮るものの、
フラッシュは出る(後で知ったが、フラッシュは有る方が良いようだ)、
モニタで確認ができないからちゃんと撮れたのか分からない、
ショウが気になって撮影どころではない、
逆光が眩しくて目線を上げることができない、
それでも頑張って撮影してみたらカメラの性能が悪くて良いシーンで撮れない、
肝心のイエローは座っている位置の反対側に立つことが多い、
それはそれで表情が見えて良いのだけど遠いから満足な撮影ができない、等々、
正直に言って、最後まで散々な感想しかなかった。
所詮、1500円のショウ。本人が登場したところでこの程度なのか。


ショウの最後に、役者からそれぞれコメントをいただく。
これがラストチャンスと思い、撮影に集中するが、思うような画が撮れず。
やはり動きのあるものを撮るのは高度な技術が必要なのか。
不完全燃焼な状態で諦めかけた最後の最後に奇跡が起こる。
役者がステージ上を(向かって)右から左へと挨拶しながら移動。
左側に座っていたので、つまり最後に彼女を見ることができるわけだ。
もともと彼女の立ち位置は左側だったので、チャンスではあった。
ただ、基本的にステージの中央に集まる形での並びだったので、
若干の距離があって残念に思っていたのである。


狙いどおり、彼女は僕たちのほぼ正面にまでやって来た。
そこで手を振り、ファンの声援に応える。
僕も必死になって団扇をアピールし、手を振るものの、彼女と視線が合わず。
「駄目だ。無理だよ」
「どうして諦めるんだ?」
「だってあゆ美は僕の方を見ていないんだ。目線が違うんだよ」
「それで諦めるのか?」
「僕になにができるって言うんだよ」
「考えろよ、お前自身がかつてどんな存在だったのか、を」
「僕自身の・・・・・・存在?」
などというやりとりが頭の中で行われたわけではないが、
少なくとも自分が「叫ビスト」であることは思い出した。
だから、
「ジャスミーン!!」と叫んだ。
すると彼女は僕の方を見て、笑顔で手を振ってくれた。
最高だ。もはや言葉で表すことができない。
この地上から自分の姿が消え、何もかもが真っ白に変わる瞬間だった。


M氏曰く、僕が団扇を持っていることに彼女は気付いていたらしい。
僕自身は知るよしもなく、必死に彼女を振り向かせ続けていた。
最後のトークで「団扇をもっと買ってください」とPRしたのは、
そういうことだったのか。本当に全く気付いていなかった。