休日出勤でした。


期待通り(?)、Fさんは欠勤。
ま、欠勤というか、基本的には休日なんですが。


なんだろうね、
頭では分かっていても心が動かない、なんて体験は初めて。
Fさんが来ないことで、今朝の俺は、かなり怒っていました。
何に怒っていたのか? それは自分自身に対して。


劣悪な態度で接してしまった方々に、深くお詫び申し上げます。
そんな事を言わなければならない程に、俺は酷かった。
正直、いま、かなり凹んでいます。


頭では分かっていても感情が付いてこない。
まさかそんな状態があるなんて、俺には信じられなかった。


幼い頃から、テレビ、ゲーム、漫画、小説、といった、
他人と関わることの少ない世界で生きてきて、
そこから得られる情報を頼りに、俺は成長してきたのだ。
基本的に、その経験は間違っていないと今でも思う。
とかく大衆の意見に流されがちな現代人に比べ(必ずしもそうとは限らないが)、
俺は自分の考えや信念をちゃんと持っている方だと自負するから。
人は人からの影響を受けやすい。
だから、多くの人と接することを薦められる一方で、
その結果として道を誤る可能性も否定できない。


さておき、
俺は社会人になるまで、もっといえば、Fさんと出逢うまで、
恋人は必要ないと思っていたし、自分を変えるための経験は充分だと考えていた。
だけど、Fさんに恋をしたことによって、
それまで見えていた世界が、がらりと変わってしまったのだ。
「おたく」であることは否定しないし、
これから先もずっと「おたく」であるだろう。
しかし、その「おたく」をほんの少しでも否定したこともまた事実なのだ。
いや、それはすなわち、俺自身の否定に他ならなかった。


このままじゃ駄目だ。
そう思ったのだ。


いまはまだ多くを言葉にできない。
誰かからの質問に対して答えることはできるが、
その回答が果たして真実と向き合っているのかどうかは疑わしいし、
第一、誰が俺に問うというのだろうか。
決まっている。俺が俺自身に問いかけているのだ。


俺は、Fさんが好きだ。
けれど、それはやっぱり「憧れ」なんだと思う。
誰かに憧れる気持ちと誰かを愛する気持ちとの違いは、よく分からない。
そうは言っても、いまの俺の気持ちはやっぱり恋なのかもしれない。
だけど、いまの俺が納得するために必要な気持ちは、
どれだけの可能性の道を選んでみても「憧れ」なんだと思う。
その方が、俺にとっても、たぶんFさんに対しても、良い結果ではないか。


ずっと迷ってきた気持ちに結果を与えてくれたのは、
Fさんが遅くまで残って仕事をしている、という事実だった。
自分が帰った後でも、あるいは昼休みの間にも、彼女は仕事を続けていた。
俺はそんなFさんをかっこいいと思うと同時に、
「体を休めてほしい」「もっと自分の時間をもたせてあげたい」と、
真剣に考えてしまった。
何も不思議な気持ちではない。
この気持ちは、ずっと以前から「れいな達」に抱いてきたものだから。
2つの気持ちが結びついた時、俺はようやく気付くことができた。
むしろ、納得というカタチを得ることができて、
これ以上迷うことはないのだと信じたい。


俺は、壊したくなかったのかもしれない。
何とは分からないが、そう言える気がする。


とにかく、
当初の予定通り、俺はFさんに気持ちを伝えるつもりだ。
ただし、それは「好き」を伝える告白ではない。
もっとそれ以上に素直な気持ち。いま言える精一杯の言葉。
正直、そんなチャンスが都合良く訪れるとは信じていないが、
たとえいつになっても構わない。気持ちを伝えぬまま終わるよりは。


迷いは、まだ少しあるが、
おそらく得体の知れなかった感情は、もうないと思う。


真実とは、かならずしも「正しい結果」とは限らない。
時には「事実」に反する「嘘」を伴う場合もある。
言葉にすれば単純に思えるだろうが、
自分の心が落ち着ける場所こそが「真実」ではないか、と思う。


本当に、本当に、長く迷ってしまった。
ようやく俺は眠りにつけるだろうか。
さすがにかなり疲労してしまった。






・・・ありがとう、と眠りの魔法をかけて。