うーん、考えてみた。


俺はもう自分の気持ちを隠すことをしないので、
ほとんど所構わず(ただし信頼できそうな相手を選んで)、
Fさんが好きである事実を伝えている。
ひょっとすると、俺の声が大きくて、あるいは誰か俺の話を耳にした人がいて、
その内容がFさんの耳に届いたのだろうか。だとすれば、厄介だ。


もし、それでFさんの心境に変化が起きた場合を想定しよう。


その壱。
本当は俺の事が嫌いか、あるいは面倒な人だと思っていたFさんは、
俺の気持ちを知ってしまい、戸惑っている。
むしろ距離を置いて接しようと意識し、なるべく話さないようにしている。
なぜならば、彼女には恋人がいるからだ。


その弐。
俺の気持ちには気付いていないが、
極端に変わった俺の態度に違和感を覚えている。
それゆえに、距離を置いた接し方を選んでいるのではないか。


その参。
俺の気持ちを知ってしまったFさんは戸惑っているが、
実はFさん自身もまんざらではなく、俺を好意的に意識している。
恥ずかしさゆえに、俺と接するのを避けている。


・・・キリがない。


こういうのは現実を分析する方法を試みるのが良い。


まず、Fさんからのアプローチが少ないのは事実だ。
その背景に、彼女の疲労状態が関係しているかもしれないが、
だからといって、俺以外の誰とも話をしないわけではない。
すなわち、彼女の中で俺の占める割合は少ないと思われる。


ただ、実は意図的に俺はFさんを避けるように行動している。
具体的には、顔を見ないようにしたり、近づかないようにしたり。
それでも日に何度かは行き違うことがあるので、完全に無視はできない。
その限られた接点の中で、彼女は俺の方を確認している(ような気がする)。
もし、これが事実であれば、少なからず彼女は俺を意識しているといえる。
それが好意的なものなのか、単に気分的なものなのか判断は付かないけれど、
前者であるならば、まだ俺にも希望がある(と勝手に思っておこう)。


まあ、こんな事を考えるのが「青春」なのかしら、と思いつつ、
正直言って、会話がないなら、彼女と接する意味はありません。
もし彼女に恋人がいないのであれば、俺は積極的に話したかもしれませんが、
恋人がいる相手に対して意欲的になろうとは全く思いません。
「好き」という気持ちは事実ですが、それはあくまで「憧れ」であって、
このまま彼女の元気がなく、かつ、話す機会さえないのであれば、
おそらく俺は興味を無くしていくでしょう。


ひどい話かもしれませんが、そういうものです。


何にしても俺の方からアクションは起こしません。
友達として付き合えばいいじゃないか、という見方もできますが、
多忙で心身ともに疲労している相手に話せる程、俺は人間ができていません。
同性なら、遠慮無く話せるのですが(相手の事を考えない)、やはり異性は難しい。


こういう場合、俺はどうするべきなのか。
とりあえず、あらゆる可能性を考えています、いま。